香典袋の書き方
少し前回記事と重複してしまうところがありますが、今回はお通夜や葬儀に参列する際、意外と悩むのが「香典袋の書き方」。
特に宗教によって表書きが異なるため、うっかり間違えてしまうと、相手に対して失礼になってしまうことも…。
今回は、仏教・神道・キリスト教それぞれに適した香典袋の表書きや、書き方のポイントを具体的に解説します。
図も交えて分かりやすく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
■ 香典袋の基本構成
香典袋には以下のようなパーツがあります:
- 表書き(中央上部)…「御霊前」などの文字
- 名前(中央下部)…贈る人のフルネーム
- 金額(中袋に記入)…「金壱萬円」など旧字体で書くのが丁寧
- 中袋(なければ裏面に金額・住所を書く)
✍️【ワンポイント】
名前は黒の筆ペンか毛筆が正式。どうしても難しい場合はサインペンでもOKですが、ボールペンは避けましょう。
■ 宗教別の表書きとマナー
⛩ 神道の場合
項目 | 内容 |
---|---|
表書き | 御玉串料/御神前 |
袋の色 | 白無地、水引は黒白や双銀 |
宗教的背景 | 神に捧げる「玉串」に対する供物 |
注意点 | 「御霊前」は使用しません |
☸ 仏教の場合(最も一般的)
項目 | 内容 |
---|---|
表書き | 御霊前(通夜・葬儀)/御仏前(法事)/御香典(万能) |
袋の色 | 白地に黒白、黄白、または双銀の水引(地域差あり) |
宗派ごとの違い | 浄土真宗では通夜から「御仏前」が基本です |
注意点 | 宗派が不明なら「御霊前」か「御香典」が無難です |
✝ キリスト教の場合
項目 | 内容 |
---|---|
表書き | 御花料/献花料/お悔やみ |
袋の色 | 白封筒、水引なしが一般的 |
宗教的背景 | 香典=神へ捧げる花や祈り |
注意点 | 「御霊前」など仏教用語は使わない |
■ 香典袋の名前の書き方
- 1名で出す場合:中央にフルネーム
- 夫婦連名:右に夫の名前、左に妻の名前(名字は夫側に合わせる)
- 複数名(会社など):3名まで連名OK/4名以上は「代表者名+外一同」とし、全員の氏名は別紙へ
■ 金額の書き方(中袋)
- 数字は旧漢字で「金壱萬円」「金五仟円」などと書くのが正式
- 住所・氏名も中袋に記入。なければ外袋の裏面に書く
■ 迷ったときは?
相手の宗教がわからない場合、以下のように対応すると失礼が少なくなります。
- 仏教:御霊前 or 御香典
- 神道:御玉串料(神社から案内があることも多い)
- キリスト教:御花料
- 宗教不明・不安:御香典(万能)や「お悔やみ」も選択肢
■ おわりに
香典袋の選び方や書き方は、「形だけのこと」と思われがちですが、実はとても大切な心遣い。
宗教ごとの違いを少し意識するだけで、相手への敬意や配慮がぐっと伝わるようになります。
最初は戸惑うかもしれませんが、この記事をきっかけに、自信を持って香典を包めるようになれば嬉しいです。
宗教別|香典袋の表書きの書き方まとめ
宗教 | 主な表書き | 書くタイミング | 備考・ポイント |
---|---|---|---|
仏教 | 御霊前(ごれいぜん) | 通夜・葬儀・告別式など | 一般的に広く使われる。迷ったらこれでOK。 |
御仏前(ごぶつぜん) | 四十九日以降の法要 | 成仏した後に使う。年忌法要などで使用。 | |
御香典(ごこうでん) | 宗派不明・広く使いたい時 | 万能タイプ。迷ったらこれも無難。 | |
神道 | 御玉串料(おたまぐしりょう) | 通夜・神葬祭 | 玉串を供える意味を持つ。香典袋の水引は白無地や白黒。 |
御神前(ごしんぜん) | 通夜・祭典 | 神道の「神」に向けた言葉。 | |
キリスト教 | 御花料(おはなりょう) | 通夜・告別式 | 花を贈るという考え方。 |
献花料(けんかりょう) | カトリックで使われやすい | 花を神に献じる意味。 | |
お悔やみ(おくやみ) | 宗派が不明なときに | 近年では簡易表現として使われることも。 |
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