■ はじめに
お通夜に参列したとき、「通夜振る舞いがありますので、どうぞ」と案内されて戸惑った経験はありませんか?
「えっ、今から食事?」と驚く方もいれば、「参加すべき?」「断ったら失礼?」と不安に感じる方もいるでしょう。
この記事では、通夜振る舞いの意味やマナー、断り方やふるまい方の注意点について、分かりやすく解説します。
■ 通夜振る舞いとは?
通夜振る舞い(つやぶるまい)とは、お通夜のあとに参列者にふるまわれる食事のことです。
故人への弔意を表し、僧侶や親族、参列者が一緒に食事を囲むことで、故人との別れを惜しむ時間を共有する意味があります。
▽ なぜ食事をふるまうの?
もともと通夜は、夜通し故人を偲び、語り合う時間でした。
その際に温かい食事やお酒をふるまうことで、悲しみを分かち合いながら、遺族へのねぎらいの気持ちを表していたのです。
■ どんな料理が出るの?
地域や家庭によって差はありますが、一般的には以下のような料理が出されます:
- 寿司(にぎり・巻物など)
- 煮物やおでん
- 揚げ物(天ぷら・からあげなど)
- サンドイッチやおにぎり
- 酒やビール、ソフトドリンク
※精進料理にこだわる場合もあれば、近年は軽食スタイル(オードブルや弁当)も増えています。
■ 通夜振る舞いには参加すべき?
▽ 基本的には「案内されたら参加する」のが礼儀
通夜振る舞いは、遺族側が感謝の気持ちを込めて用意している場です。
案内された場合、長居をせずとも少しでも箸をつけて帰るのがマナーとされています。
ただし…
- 時間が遅い
- 仕事や家庭の都合
- 遠方から来ている
などの場合は、無理に参加する必要はありません。
▽ 断り方の一例
「お気遣いありがとうございます。ご挨拶だけで失礼させていただきます。」
このように、丁寧な断り方で十分です。持ち帰り用のお弁当を用意している場合もあります。
■ 通夜振る舞いでのマナーと注意点
【1】食べすぎ・飲みすぎに注意
→ あくまで弔いの場。宴会のように騒ぐのは絶対にNG。
【2】服装はそのまま喪服でOK
→ 食事だからといって着替える必要はありません。
【3】席順は促されるままに
→ 遺族や関係者が案内することが多いため、勝手に席を選ばない。
【4】会話は故人を偲ぶ内容を中心に
→ 思い出話や感謝の言葉が好まれます。
■ 通夜振る舞いの費用は誰が出すの?
基本的には、**喪主(遺族側)**がすべての費用を負担します。
参列者が支払うことはありません。
このため、通夜振る舞いの料理は参加者数をある程度見越して用意されるため、キャンセルや急な人数変更にも配慮が必要です。
■ 近年の変化と現代的な対応
コロナ禍をきっかけに、通夜振る舞いを省略する家庭も増えてきました。
代わりに「持ち帰り用の弁当」や「茶菓子セット」をお渡しするケースもあります。
また、昨今は家族葬が主になりつつあり、通夜後はおでかけされる方もいらっしゃります。
形式にとらわれすぎず、故人をしのぶ気持ちを大切にするスタイルが広がっています。
■ まとめ
通夜振る舞いは、ただの「お食事会」ではなく、故人と参列者との最後の交流の場。
案内されたら短時間でも顔を出す、無理なときは丁寧に断る、そうした礼節あるふるまいが大切です。
知っていれば安心できる、そんなマナーのひとつとして、参考にしていただければ幸いです。
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