「終活を始めよう」と思い立ったとき、多くの人がまず手に取るのが「エンディングノート」です。でも、いざ書こうとすると「何を書けばいいの?」「どこまで書けばいいの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、エンディングノートの基本から書き方のポイント、そして大切な家族にうまく伝えるコツまで、わかりやすく解説します。
エンディングノートとは? 遺言書との違い
エンディングノートとは、自分の希望や思い出、万が一の時の連絡先、医療・介護・葬儀・財産のことなどをまとめて記録するノートです。
◾️ 遺言書との違い
項目 | エンディングノート | 遺言書 |
---|---|---|
法的効力 | なし | あり(方式による) |
書きやすさ | 自由に書ける | 厳格な書式が必要 |
内容 | 生活全般・思い出など | 主に相続に関する事項 |
エンディングノートは「思いを残す」ためのツールであり、家族にとっては心の支えにもなる大切な記録です。
書くべき7つの基本項目
エンディングノートの構成は自由ですが、以下のような項目を押さえておくと実用性が高まります。
1. 基本情報
- 名前、生年月日、血液型、保険証番号など
- 家系図や親族リストもあると便利
2. 医療・介護に関する希望
- 延命治療の希望の有無
- 介護が必要になった場合の希望(自宅、施設など)
3. 財産・保険の情報
- 銀行口座、保険証券、年金情報など
- ローンや借入れがあればその情報も記載
- 特にオンライン証券など、目視しにくい情報
4. デジタル遺産
- SNS、スマホ、クラウドのログイン情報
- オンライン銀行、ネットショッピングのアカウント
5. 葬儀やお墓の希望
- 宗教の有無、葬儀の形式(家族葬、直葬など)
- 菩提寺や納骨先についての情報
6. 遺言や相続の希望(あくまで参考として)
- 相続の配分や考え方
- 遺言書の有無と保管場所
7. 家族や友人へのメッセージ
- 感謝の気持ち
- 伝え残したい言葉や想い出
書くときの心構えとコツ
エンディングノートは一度に完璧に書く必要はありません。時間をかけて、少しずつ書き足していけば大丈夫です。
✏️ 書き方のコツ
- 手書きでもデジタルでもOK。書きやすい方法で。
- 「思い出せることから」「書きやすいことから」スタート。
- 難しい内容(財産、相続など)は簡単なメモから始めて。
📘 おすすめのエンディングノート
- 市販のノート(書店、文具店で購入可能)
- 自治体で無料配布していることも(例:「わたしの思い出ノート」など)
- デジタルアプリ型(クラウド保存や共有機能あり)
家族にうまく伝えるには?
せっかくエンディングノートを書いても、家族がその存在を知らなければ意味がありません。また、「重たい話をするのは気が引ける」という人も多いはず。
💬 伝え方のコツ
- 「終活の一環として書いてみたよ」と自然に切り出す
- お正月やお盆など、家族が集まる機会を活用
- 「元気なうちに伝えておきたいことがある」と前向きなトーンで
🗂 保管場所も大切!
- すぐに見つけられる場所に置く(仏壇の引き出し、金庫など)
- コピーを家族に預けるのも手段の一つ
- パスワード付きのデジタルノートなら、ログイン情報も家族と共有
エンディングノートは“生きているうちの安心”のために
エンディングノートは「死の準備」と捉えられがちですが、実は「生きている間を安心して過ごすための手帳」でもあります。
- 家族が困らないように
- 自分の人生を振り返るきっかけとして
- 万が一の時に備える安心材料として
相続関係や継承関係はなかなか伝えづらいことも多いので、どこに何があるかなど明確である方がよろしいです。
実際、私の母も父(私からみると祖父)の相続については個々で契約していた証券などもありました。個々でやろうとすごく苦労し、最終的には専門的な方にお願いをしながらしておりました。
相続の期限もありますので、ゆっくりと考える時間も殆どありません。
また、認知症になってしまうリスクもあります。
それも踏まえてエンディングノートなどに記入するといいですね。
まずは1ページ、思い出や感謝の言葉から書いてみてください。それが、あなただけでなく、家族にとっても大きな心の支えになるはずです。
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