お盆の概要
お盆は、日本で古くから行われてきた先祖供養の行事です。
毎年8月13日から16日までの4日間、先祖の霊を自宅に迎え、感謝の気持ちを伝えます。
正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、古代インドの仏教説話に由来します。
最近では、お盆を機に 終活やエンディングノートの準備 を始める人も増えています
参考記事:👉 エンディングノート徹底ガイド
お盆の由来と意味
お盆の起源は、目連尊者が亡き母を餓鬼道から救うために修行を行い、その功徳を僧侶に施したことに由来します。
この故事は『盂蘭盆経』に記されており、「先祖供養を行えば、故人の霊が救われる」という信仰が広まりました。
現代では宗教的な意味合いだけでなく、「家族や親族が集まる年中行事」としての側面も強くなっています。
浄土真宗と他宗派のお盆の違い
お盆の行い方は宗派によって異なります。
浄土真宗
浄土真宗では「お盆を特別な供養の期間」としては捉えません。
なぜなら、亡くなった人は既に阿弥陀仏の浄土に往生しており、この世に戻ってくるという考え方を持たないためです。
そのため、一般的なお盆の迎え火・送り火は行わず、仏前で日常と同じようにお念仏を称えます。お盆の期間中に お盆法要 を行う場合もありますが、それはあくまで「仏縁をいただく機会」としての意味です
他宗派(曹洞宗・真言宗など)
- 曹洞宗 … 迎え火・送り火を行い、精霊棚を飾る。読経と供養を通して先祖の霊を迎える。
- 真言宗 … 施餓鬼供養を盛大に行い、餓鬼道に苦しむ霊への施しも含める。
- 日蓮宗 … 先祖供養と同時に、法華経の功徳を広める意味を持つ。
このように宗派によって考え方や儀礼に違いがあります。
お盆に行われる代表的な行事
お盆では地域や家庭によって様々な行事が行われます。
- 迎え火・送り火 先祖の霊が迷わず帰ってこられるように、13日に迎え火、16日に送り火を焚きます。 → [お盆の迎え火と送り火のやり方]
- 精霊棚(盆棚)の飾り付け 位牌、供物、盆花などを飾ります。地域によってはキュウリの馬やナスの牛を置きます。
- 墓参り お墓を清掃し、花や線香を供えて手を合わせます。 墓参りの際には 服装やマナー に気をつける必要があります
- 盆踊り 先祖の霊を慰めると同時に、地域の人々の交流の場となります。
地域ごとのお盆の特色
お盆の過ごし方は地域によってかなり異なります。
- 京都:五山の送り火 16日に行われる「大文字焼き」は全国的にも有名で、山に大の字などの火を灯して精霊を送ります。
- 長崎:精霊流し 精霊船に故人の魂を乗せ、爆竹を鳴らしながら川や海に流します。
- 秋田:西馬音内盆踊り 編み笠や藍染の衣装で踊る優美な盆踊り。国の重要無形民俗文化財にも指定。
- 沖縄:旧盆 旧暦7月13日から15日に行われ、エイサー踊りが特徴。
お布施・お供えの考え方
お盆にお寺にお参りしたり法要を依頼した場合、お布施を包むことがあります。金額は地域やお寺との関係性によります
また、お供え物は故人が生前好きだったものや季節の果物などを用意するのが一般的です。
現代のお盆と終活
近年は核家族化や都市部への移住で、昔ながらの形でお盆を行う家庭が減少しています。
その一方で、お盆を「家族や親戚が集まる貴重なタイミング」として、エンディングノートの共有や遺品整理を始めるケースも増えています
まとめ
お盆は単なる年中行事ではなく、家族の絆や故人とのつながりを再確認する大切な機会です。
宗派や地域によって形はさまざまですが、「感謝と供養」の気持ちは共通しています。
今年のお盆は、ご家庭の宗派や地域の習慣を尊重しつつ、自分たちに合った形で先祖を偲んでみてはいかがでしょうか。
コメント